2007年07月22日

理由の無い栄華にはいつか終わりがくる。

 
 山梨の片田舎でバイクを乗り回し、適当に高校生活を終わらせた後に、気合いとはったりで大学受験を潜り抜け、したいことをしたいようにした大学生活を終え、ふらりと今は、精神が崩壊しそうな不思議な生活をしている。
  
 窓の外には香港のヴィクトリアハーバーが広がっている。一ヶ月前には、マーライオンがちょうど海水を口から吐き出していたところにだ。

 もうすぐ今の会社に入って丸三年が経つ。振り返って自分の過去を見てみると、一つ言えるのは、今の会社の中でも特に自分は恵まれている方だったと思うということだ。
 私は別に一つの分野に集中したスキルがあるわけでもないし、だからといって誰もが認める問題解決プロフェッショナルというわけでも残念ながら無い。 しかも誰か特定のパートナーに気に入られている訳でもない。
  だから「コンサルタント」としての自分は別に出世の階段を上っている訳ではないし、自分が「コンサルタント」として一流であると言える確たる証拠は、残念ながら私は知らない。
 その一方で、だれよりも自由に、正しい答えを描きにくい戦略とマーケティングだけをテーマに、多種多様な業種に、多種多様な国で働くことが出来ている。

 業種で言えば、通信サービス、通信機器、情報家電、メディア、製薬、運輸、化学、食品と、大きくわけても8業界に及び、逆にテーマで言えば、戦略(成長、事業部、新規事業、製品、組織、M&A)、マーケティング調査(顧客趣向、成長領域)の二つだけしかしていない。

 「出来るだけ多くの業界の、戦略とマーケティングだけを、世界中でやりたい。」当初掲げた自分の目標は、丸三年を迎えるこれまでの生活では、ほぼ成し遂げることが出来てきたと言ってしまってかまわない。

 今、もっとも辞めづらい時期ではある。劇的に厳しく不安定な生活は、見返りとして25歳で経験するのは通常ほぼ不可能な世界を見せてくれている。
 しかし、今自分が思いこしているのは、自分が大学を出る際、「3−4年かなぁ」と三人の先生が口を揃えて私に忠告していたことである。

 甘美な世界。人から理由無く賞賛され、会社のお金で贅沢が出来る。ホテルの部屋は勝手にアップグレードされ、飛行機にのれば特別待遇を受ける

 しかし、熟した果実は腐る一歩手前でもある。栄華にはいつか終わりが訪れる。たとえその本人が望まなくても、その時はいつか訪れる。
 
 自分から、ブランドタグを破り捨て、今手に入れている法外なお金を捨て去るのはなかなか難しい。ただ、困難で、答えが無く、苦しみに満ちたプロジェクトを生き抜いた自信が、自分はそれらがなくなっても大丈夫だと背中を押してくれる。

 偶然と幸運もあって今の身分を手に入れた自分は、次のステップに進むときに、また同じような待遇とブランドを手に入れられる可能性は少ない。それは自分自身が一番わかっている。

 ただ、昔からぶれない自分の軸が、きっと後悔しない選択を与えてくれる。自分が好きなこと、自分が人生で成し遂げたいことを実現するために、捨てにくいものを捨てることは時として避けて通れないことを私は知っている。

 きっと遠くない未来に、自分は自分のための選択をする。たとえそれにより、自分自身の存在が他人から見て小さくなってもかまわない。どんなに小さくても、自分の夢に向かって進む自分でありたい。
 
posted by Cotton at 00:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | 随想(essay) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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