2009年09月01日

自民党が、麻生太郎が負けた理由:敗軍の將、未だ国を語れず

(Japanese only...)

負けた時ほど、人が出る。散り際にこそ、その人間が光る。
そう考えたとき、麻生首相の散り際は最悪だった。一国の首相が、この国の変化を目にして語りかけているとは思えなかった。
 
 彼の記者会見での冒頭の発言は次の通りだ。

「今回の総選挙の結果は、自由民主党にとって厳しい結果となりました。全国で応援をしていただきました有権者の方々、また党員、党友、大勢の方々の頑張りに応えることができず、大変申し訳なく思っておるところであります。多くの同志を失い、まことに残念至極と思っております。総裁としての責任を強く感じているところです。この際、自由民主党の総裁を辞任したいと考えております。自民党としては速やかに開かれた総裁選挙を行い、新たなスタートを切るべきだと思っております。また、政権の奪還に向け、党を再生していかなければならないと強く思っております
「そのためには、まず政策について、民意を反映できていたか、また党の運営についてはどこに問題があったかなど、それらを含めまして今後の自由民主党のあり方を検討する場を早急に設定していかなければならないと考えております。この際、国民の皆様に申し上げておかねばならないと存じます。自民党は今回の皆様がたの審判を厳粛に受け止め、これまでのご支援に心より感謝を申し上げるとともに、自民党は必ず態勢を立て直して政権を奪還致します。引き続き皆様方のご支援をよろしくお願い申し上げます」
Source sankei.jp


 彼は、自民党総裁としてしか話していない。彼は彼らへの支援者達にのみ語りかけ、 国民に対しては語りかけてない。自分のしてきた事に対する自信があまり無く(質疑応答で自分の判断は正しかったと主張はしているが、、)、将来への展望が無い。これから国の舵取りを担う民主党へのメッセージが無い。野党としての自民党の役割を果たしていない。選挙の話しを聞かれたからといって、返答が選挙の話しばかりではあんまりだ。しかも、いつも通り棒読みのような声のトーンで、力強さを感じない。早い話しが、一国の首相であった者の姿勢と発言としては、落第だ。

 一国の首相であった者が、総裁としての会見であるとはいえ、国の代表としての立場を口に出来ないのは、悲しい。自分の村を守る事しか頭に無いとしか思えない。「国会議員」という立場を忘れている様にしか思えない。君は国の代表の一人であって、国民全てを代表するリーダーだったのだ。おそらく、本人にその自覚は充分に無かったのだろう。

 そして、彼の人生の締めくくりかもしれないこの会見ですら、彼は原稿棒読みだ。。。












さて、じゃあどうすればよかったのか。最近で言うと、この人だろう。そう、マケイン氏である。彼の敗北宣言のスピーチなどよい例だ。




 対決相手への賛辞、アメリカの将来に向けたメッセージを発信している。ただ単に支持者にお礼を言い出すだけではなく、 全ての国民に向けてアメリカが何をするべきかを語りかけている。自分のために、アメリカのためにオバマ氏を「私の大統領」と呼び、彼をサポートし、国を変えていく必要があると語りかけている。
 そして、責任は自分にあり、君たち支持者には無いと、クリアーに責任の所在を明確にしている。そして、全てのサポートに感謝し、そして次に向けて進もうというメッセージを向けている。そして彼は次の様に言う、
「私は、私が成し遂げた事を後悔したりはしない。私は全力を尽くした。私は、私の愛する国の大統領候補であった事を誇りに思う。私はこの国を愛している。」
日本人はこれほどアメリカ的にはなれないかもしれないが、リーダーの一つの型として参考になる。少なくとも、自壊寸前の組織にあってそれを引っ張る者が、希望を語れない状況は目も当てられない。



 別に自分の所属するコミュニティにだけメッセージを配信しても良い。もし、それが力強いメッセージであり、そのコミュニティの力をわき上がらせ、再生に向けての力を浮かび上がらせるようなメッセージであればだ。彼がもし、モーフィスようなリーダーだったら、それも一つの選択肢だったろう。





 自民党がすべき事は、「責任政党」として、その責務を全うする事である。野党には野党としての責任がある。民主党のような野党になってはならない。正論を軸にすえ、対案を提示し、全てに反対するのではなく、政策の質で勝負してほしい。

 この国の民主主義が成熟するために、自民党のような政党が野党として果たせる役割は大きい。彼らには変わるチャンスが与えられた。彼らは野党として、民主党とは異なる存在感を示すことができるはずだ。

 彼が、麻生太郎が会見で述べたような、「政権を奪還する」というのは、国のためを考えれば、国のために貢献する一つの道でしかない。野党には野党の意味がある。優れた野党は、与党の監視機能となり、政権交代の潜在力となり、国の長期的な成長の潜在力となる。

 自民党は、もしその経験と歴史を基に責任政党と言い続けるならば、野党としても責任政党であり続ける事が第一歩である。利権を垂れ流すだけではなく、真の政権担当能力を背景とした、最強のウォッチドックとなってほしい。

 そのためには、人気主義に迎合して能力の無い人間をトップに据えるような愚行を、二度と繰り返してはならない。本当に政治力のある人間がトップに立たなければならない。もちろん、、それが出来るかどうかは未知数だが。

 今こそ、自民党に期待したい。


いずれにせよ、時代は変わる。
問題なのは、誰もどう変わるかを知らないという事だけだ。



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蛇足だが、もう二つだけ、今回の選挙の感想を述べたい。

 まず、比例区は現状の180から減らすべきではないと痛感した。得票率にそれほどの差が無いにも関わらず、300対100という恐ろしい差になってしまった。これで比例区が無ければ、自民党の再生は今の状況よりも著しく難しかっただろう。二大政党制が成立し、野党に転落した政党が人材を保ち、政策の継続性を担保するためには、このレベルの比例代表議員数は不可欠だろう。さも無ければ、300対50というような結果になり、人材の不足から政権交代が逆にまた難しくなる。

 また、参議院だが、こういうときにこそ意味がある。参議院があるからこそ、こういった突発的な変化に対してある程度のブレーキを踏むことができる。これで参議院が無ければ政権政党のやりたい放題で、日本人にはなじみの無い急激な変化に苦しむことになる。もちろん、、、参議院議員の皆様はもう少し政策に精通したプロフェッショナルでいて頂きたいのは事実なのだが。
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さらに蛇足だが、もうどうでもいいとおもうなら、せめてこんなかんじで、感動的な引退スピーチでも残してほしかったものだなぁ(爆)




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posted by Cotton at 08:07 | Comment(5) | TrackBack(0) | 政治と経済(Politics&Economy) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
功罪はあるのですが、小泉は立派なリーダーシップを発揮し、その後のリーダーがあまりにも小物だったという失望が覆っていると思います。

麻生は、最初の所信表明演説が民主党への噛み付きで、その段階で、「この程度か」と見捨てました。

日本にオバマのようなリーダーが出てくるのはいつの日か・・・。「品格」を求めたいですね。
Posted by ちき at 2009年09月01日 09:19

 そのとおりだと思います。この記事
http://www.kotosaka.com/article/115218430.html
にも書きましたが、まさしく小泉氏が出来なかった事は後継者育成です。

 彼は一匹狼であり、まさに自民党をぶっ壊して去っていきました。おぼっちゃまとサラリーマンと田舎貴族という素晴らしい連係プレーにより、自民党は歴史的大敗に結びついてしまいました。

 まぁ、こんなかんじで酷評しつつも、自分が総理になったら彼らほども上手く出来ないのかもしれないでしょうが。。きっと想像出来ないくらい難しいのでしょう。

 期待するが故に、多くを求めています。
Posted by cotton at 2009年09月01日 15:04
finalvent爺が補足してますね。

僕はこの意見に結構近くて、麻生さんはやはり良い人というか、立派な方だったと思います。

http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2009/08/god-bless-you-m.html

首相としての仕事以外のところで(読み間違いとか。。。)評価を落としているのがすこしかわいそうですね。
Posted by shibudqn at 2009年09月01日 17:20
 たしかに、麻生さん光るところもありましたよね。残念なのはそういう部分が目立っていないというか、着目されていないという事ですね。

 本人がもう少し自覚して、こういう良い部分を前面に押し出すマーケティングを心得ていれば、もう少し評価も違ったものになったかもしれませんね。

 いずれにせよ、将来的には人物本意で政治家が活躍する時代になってほしいですね。今回も小沢流どぶいた選挙術が功を奏したというのが大方の観測ですが、、、
Posted by cotton at 2009年09月01日 18:12
Posted by 論旨には関係ないけど at 2009年09月04日 00:40
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