1. 一定量を超えれば、資産を使う量よりも、それが自己増殖する量のほうが増える
2. 教育に投資可能な資金量、両親の能力等によって教育レベルが再生産される
3.一定水準レベルの人々をつなげる相互幇助的な「社交界」が存在する
過去においては、資産を分散させリスクを低減させることが極めて難しかった。それは株式市場も未成熟であり、債券市場や、住宅市場へのアクセスが限定的であっただけではなく、他国の市場へのアクセスが困難であり、しかも高度なリスク回避アルゴリズムといった金融手法が少なくとも一般的ではなかったからである。
しかし、今はそのようなことはない。不動産を1億円で5%で回し、株式1億円から2%の配当を得て、各国の国債計1億円から3%のリターンを得れれば、それだけで1000万円である。これが6億円なら2000万円。昔に比べれば、はるかにリスクをコントロールした上での運用が出来るようになっている。
昔と違い、自分の資産を守るために金歯を入れたり、ロレックスを身につけたり、宝石を買い込んだり、金塊を庭に埋めたり、芸術作品を買いあさらなくてもいい。こういったものはお金を再生産しない資産であり、過去はリスクヘッジのためにそれらにすがらざるをえなかったが、今はお金を再生産する資産でも充分にリスクヘッジ出来るようになりつつあると思う。
そして、富裕層にのみ公開されている特別な投資信託口座やプライベートアカウントにアクセス出来れば、マーケットの上下に関係なく、6−7%のリターンを継続的に得ることは、中長期的に見ればまったく不可能な話ではない。
極端に言えば、富裕層がすることは、信頼できる有能なアドバイザリーを見つけ出し、彼らに微々たるお金を払い、後は時折彼らとコーヒーを飲みながら経済談義に華を咲かせることだけである。
特に、教育が重要になっている今の社会において、それに対して潤沢な投資が出来るという現実。かつ、彼らが余暇時間を費やして得た知識を日々の生活から子どもたちに与えられると言う事実が、子供らの可能性を広げていくのである。
教育市場も発達し、情報も飛び交う現代では、良い師匠との出会いは、幸運だけではなく、お金に左右されるのも事実である。お金があればばるほど、良い講師に出会う可能性は高まり、良い講師に出会う可能性がたかければ、総じてその結果も多角なる可能性が高い。さらには、その両親目当てにその子供を優遇する東海岸の有名校は、如実に教育機関側のインセンティブを表している(例: http://www.kotosaka.com/article/106431449.html )
お金と両親の意識。その二つの融合体がもたらす力も、今まで以上に高まっていることに疑問の余地はない。
さらに、彼らのネットワークは部外者を好まない。一定水準以上の人々が集まる組織は、彼らのために存在し、彼らによって運営される。力有る者同士が友人として助け合えば、もちろんそれは世の中を動かしうる力となる。
お金のあるものは世界を飛び交い、そしてお金の集まる場所に集まり、そして強いネットワークを作り出していく。技術と物流の進化は、物理的な制約を超えて強い者どうしを結びつけるようになり、これまで以上に大きな助けとなって存在しているのが事実であろう。
1. 体制が変わり制裁を受ける(e.g., 戦争に負ける。革命が起きる。)
2. 経済が破綻が破綻し資産価値が消える(e.g., ハイパーインフレ、株式崩壊)
3. 国の政策により資産が徴発される(e.g., 相続税、徳政令)
4. 自分の失敗により自分で破綻する(e.g., 無謀な投資、家業の倒産)
リスクを分散し、スマートに資産を運用し、それが再生産する範囲でそれを使っていくこと。身の丈に合った生活をし、堅実に、着実に生きて行くこと。世界に視野を向け、貴方の政府が貴方(と貴方の資産)に辛くあたるのであれば、すぐにでも貴方を暖かく迎えてくれる国へ亡命出来るように準備しておくこと。
タイムリミットは限られている。貴方の世代で貴方の子どもたちのために何かを残して欲しい。それは世界を生き抜ける知識でも才能でもいい。単純に将来に望みをつなげるだけの資産でもいい。時間は限られている。さもなくば、貴方達の子孫は競争にさらされる厳しい人生となる可能性が有る。
おめでとう。チャンスが訪れようとしている。これまで理不尽に暴利を貪っていた先進国の怠惰な住民を駆逐する機会が訪れようとしている。差別にめげず学問に励み、技術を身につけ、彼らに挑戦するときがやってきた。才能を磨き、それを認めてくれる国に趣き、持てる者になるためにこれまで通り努力するだけでいい。
状況は厳しい。持つものが無境に持たない者を救える時代は終わろうとする。今持たないものが国際的競争力を身につけて、彼ら自身が稼げるように仕向けなければならない。無理に保護しても無駄である。時間の先延ばしをセずに、持たざる者の努力を助長する政策を推し進めていく必要があるだろう。
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書かれてある内容は、逐一納得です。少なくとも、今の急速な情報と金融のグローバル化から、現在から近い将来は、その通りな気がします。
そう納得なのにも関わらず、「成長の外にいる」持てるものがさらに持ち続けるのって、そんなに簡単かなあ、という疑問がありました。
- 持てるものに同じ金利のリターンを与え続けるのは、大変。元金がどんどん膨れる中、例えばここ5年、地球は日本で郵政民営化して300兆円をやっとこさこじ開けたけど、その後リーマンショックは起こるわ、また郵政国有化に向かうわで振り出しに。おいしい投資先が限られる中、成長の外部からそこにアクセスし続けることが可能なのは、本当にごく一部の金持ち、上の上の人のみで、上の中の人は、ねずみ講のごとく市場を食い尽くして、上の下、中の上へと次第に脱落しちゃうのでは?
- 残った上の上の人は、その地位を維持するコストが馬鹿高くなるのでは。グローバル化の負の側面として、今まで頼ってた国が頼れなくなり、本稿で挙げてる1.-4.の防衛が自腹になるような気がします。貧富の差が拡大した際に、金持ちの教育費はますます高くなる、などの形でコスト高になる気がします。さらに、(サイバー含む)テロや、米国が作りまくろうとしてる原発のメルトダウン、など、今までリスクじゃなかったものがリスクになると、金持ちが保険&セキュリティーにかけるコスト、リスクが直撃しちゃう可能性は、高くなるのでは?
書いてみて、持たないものの妬みが入ってるかもしれない、と思いましたが、どうしても500年前のポルトガルを現代に持ってきて、500年勝ち続ける気がしなかったので、そのまま送っちゃいます。今後もどうぞ宜しくお願いします。
さて、この話の論拠の一つ、ポルトガル時代と違うのは、成長の外と中という境界が曖昧になっているという点です。過去は国と言う境目が明確に存在していましたが、今はその境目の力は、少なくとも相対的に小さくなっていると思います。
逆に、経済のつながりの力が大きく影響をもたらす世界になってきました。無論美味しい投資先は限られますが、しかし投資を呼び込みたいと思っている組織は大量に存在するのが事実だと思います。
その上、外国投資信託やAlternative投資が大きく広がりをみせる中、私は成長の外部からそこにアクセスすることは中長期的に見ればこれまでになく容易になろうとしていると見ています(ポルトガル、スペイン、フランスの時代は他国の成長にアクセスなど容易なことではなかったと思います)。
しかし、「ネズミ講のように市場を食い尽くして」という状況が発生する可能性は否定しません。長期トレンドからみればリーマンショックが起ころうが全世界は確実に成長を続けています。
1800年からの全世界の経済成長をこちら( http://www.kotosaka.com/article/114178361.html )でインタラクティブに確認することが出来ますが、これまでの数千年の歴史と同じように人間がこれからも経済を超長期的に見て拡大出来る限り、脱落の可能性が無いとは言いませんが、リスク分散の方法論が多様化した今、その可能性が小さくなってきているのは事実だと考えます。
二点目に関してですが、たしかに防衛が自腹になる可能性は有るとは思います。しかし、国はそのプレゼンスが低くなったとはいえ、未だに経済における特殊なプレイヤーの一つです。世界の大国は依然として大きな力を世界に及ぼしており、また国の境目は未だに大きな意味を持っています。
その一方、新しい経済は才能と富を必要とする経済です。英国もアメリカもカナダも、かなりの国が一定レベル以上のおカネさえあれば比較的簡単に永住権を取得出来るシステムと整備しています。さらに、教育レベルが高いケースでも同様です。国はお金を持つ者、または才能を持つものを奪い合おうとしているのが今と言う世界だと思います。
そう考えたとき、一方で1,4の防衛のコストが全体的に上がっているのは事実ですが、持つものだけに議論を限った場合、彼らは彼らの所属する国や組織を比較的自由に選べるがゆえに、より高いプロテクションを選択出来る可能性が高まっているとも言えないでしょうか。
テロ、メルトダウン、誘拐等のリスクはたしかに存在しますが、しかし持てる者はそのリスクが少ない場所を選択する力を持っており、またそのリスクをハンドリングするだけの分散が出来るような気がします(メキシコではなくジュネーブに住むというように)。
無論、キューバ危機のように全世界を巻き込むものすごい危機が起きるかもしれません。インドが間違って核ミサイルをパキスタンに発射すればものすごい危機です。
世界はそうはいっても未だ不安定であり、私の論脈はえてして遠い先の話をしているので、今の現実に即せばまだまだ非現実性を帯びた議論です。
ただ、世界の方向として、こちらのほうにむかっているのではないかなと考えている次第です。
コメントありがとうございました!
相変わらず貧乏暮らしをしている身にとって、
地中海でヨットの体験談も読ませていただいたのですが、
それはそれは優雅だなあと素直に感心もするのですが..
ところで、こちらのブログを拝見しますのも、実は今日がはじめてです。
勝手な話しで申し分けありませんが、
つい先日、散歩の途中に、ひとり思い出にふけっていたのですが、
ふと、こんな事を考えていました。
自分にとって「思い出深い夏休み」って、どんなのがあっただろうと、
そこで一番に思い浮かんだのが、中学の頃、仲間と少し遠出して
サイクリングに行った、特にどうって事もないような思い出です。
他にもっと刺激的な思い出も無かったわけでもないと思うのですが、
ふと心に甦ってくる事って、そんな他愛もない出来事だったりします。
なぜか、自分は持たざる者のひとりでじゅうぶんだという気がします。
こんにちは。コメントありがとうございます。
優雅に見えるヨット生活もでもこんな出会いがありました。
「もう引退してヨットで暮らして六年になる。月10万円にもならない年金では私の母国のドイツではとても暮らしていけない。全財産をはたいて移り住んだ。このヨットだけが私の糧、これがなくなったら暮らしていけない」
なんて笑いながら教えてくれたおばあさん、お金がなくてもとても人生楽しんでいるようにお見受けしました。
究極、個人個人が楽しんでいけるかなので、食べていくことさえ出来れば、持たなくても問題はないのかも知れません。
ただ、社会の多くの人達は、持てる生活になれしたしんでしまっているので、なかなかKさんのような境地にいたらないのではないかなぁとも思ってしまいます。
いずれにせよ、個人としての自分がどうするかの問題に帰結すると私は感じています。